犬のピエルは、考えた。  

沙須賀家にやって来た保護犬のピエル(本名:ジャン・ピエール)が、語り始めた。 家族は旦さん、奥ちゃん、ライちゃん、ラタくん。

橋の上のおじいちゃん ~ケンコウデ ブンカテキナ セイカツ~

奥ちゃんが毎日通る橋の上に、ほとんど毎日おじいちゃんが座っている。

いつも膝を抱えて、おしりが下につかないようにしゃがんでる。

ホームレスのおじいちゃんだ。

プラスティックの箱の中に、誰かが入れたお金が少し入ってる。

となりにリュックサックが1つ置いてある。

道行く人達は、見ないようにして、通り過ぎる。 

奥ちゃんは、すごく気になるんだって。 

何を食べているんだろう。どこで寝るんだろう。

風邪ひいたら、どうするんだろうって。

声をかけたいけど、勇気がなくて、恥ずかしいんだって。

1回だけ、そっとカイロを置いてきたことがあるけど、

それだけしかできなくて、恥ずかしかったって。

 

昨日は雹がふってた。 今日は、すごく寒い。 

そして、今日、おじいちゃんは橋の上にいなかった。

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